コロナ禍時代の共通テストの疑問点⁈パート1

 【パート1】 グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上を目途として新たにスタートすることになった共通テストに、現場で指導している立場から私見を少し述べたいと思います。又、終焉の見えないコロナ禍での新制度に直面する逃げ場のない受験生に同情します。同時にエールを送りたいと思います。

 新テストの問題形式に少し工夫があってもよいのではと考えます。

 模試を受けた大半の生徒が、ダラダラと同じタプの問題が続くため集中力を維持することが大変という感想を持っています。英文の速読・即解能力は私が最も力点を置いている英語学習の基本です。その目的には確かに沿っていますが、本来の目的である実践的なコミュニケーション能力を養うことからは少し乖離することになっていると危惧します。

 一例として、発音アクセントと文章の整序がなくなることによって国際化と矛盾する試験になっていく可能性があるのです。1人で外国旅行したことがある人や留学経験のある人は、流暢な英語は話せなくても発音アクセントがしっかりしていることがサバイバル・イングリッシュの基本であることを実体験しているはずです。流暢さは実践の中で身についていくものです。整序問題は基本的な文法力を試すものです。ネイティブでない私達日本人が英文法をキチンと理解しておくことは社会に出て英語論文やビジネスメールを作成するために不可欠です。英検やTOEICでも文法力なくして正答にはたどり着けません。そして一番大切である正確な解釈はできません。

 私はセンター試験の発音アクセント問題の典型であった、ただ単語を並べて、見出し語と同じものを選べとした形式に戻せと言っているのではありません。問題文の中にある単語や文章の一部を使って発音・アクセント又整序問題を入れて,より実践的な英語に目を向けさせることが大切だと思うのです。

 

コロナ禍時代の共通テストの疑問点 パート2

 2️⃣  10数年前にリスニング問題が出てきたおかげで生徒の聞く力は昔と比べると飛躍的に伸びています。これは非常に良い結果をもたらしています。つまり、受験生は問題傾向に敏感に反応します。このまま新共通テストが続けば、目先の点数を取ろうとすることで正しく発音できない、英語論文が書けない生徒を増産することになるのではと危惧しているのです。1️⃣の中で触れているように少し工夫すれば、問題がバラエティーになり受験生の集中力維持にも繋がると考えるのです。来年度からのひと工夫を文科省に期待します。

  では簡単な具体例をを記してみます。このブログは携帯で作っているため単語や詰問部分に下線等が使えず、分かりにくいことはご了承下さい。多数の閲覧数があることに驚いていますが、英語の理解が深い方ばかりだと思いますので読んで頂ければ幸いです。

  長文問題の途中に以下の文章があったとします

I am content with my new job, but it is difficult to describe the content briefly]私は新しい仕事に満足しています。しかしその内容を簡潔に説明することは難しい。くらいの意味です。

 2箇所使われているcontent のアクセントの位置をチェックする問題とその単語の意味を問う問題も可能です。同じ単語でも使われ方、意味によっては全くアクセントも発音も変わることが沢山あります。ちなみに前者はアクセントは[eの上]後者は[oの上]にあります。意味は[満足]と[内容]です。

 又仮に次のような事例文では、

I was told to throw away the refuse but I did refuse to do so . 

前者は[ゴミ]という意味で、後者は[拒否する]という意味です。

単語の意味が正確に理解しているかを試す問題だけでなく、末尾の[se]の発音が同じかそうでないか又アクセントは前半か後半かなどを問うことも可能です。didの使わてる意味をチェックする整序問題に転用しても面白いと思います。

 つまり文章の中で実践的な発音アクセントを身につけることを意識させる問題は数多く作れます。

 試験問題作成に携わっておられる先生方が、以上の見解を参考にしていただければ幸いです。

  

2020 新型コロナ年の入試報告 パート2️⃣

 COVID-19[新型コロナウィルス感染症]の影響が強まる前に大学試験が終えられたことは努力してきた受験生には本当によかったと思います。

 今年東大[文二]に合格した生徒は高校一年の中頃に当塾とは規模が違う総合塾から友人と一緒に私の所にやってきました。英語に不安を感じたのでしょう。1人か2人のレッスンで効率のいい英語指導であることは知っていました。経験から2、3回のレッスンをしただけで能力は東大級だと判断しました。面白いくらい伸びていきました。三年の夏に理系のクラスに居たのですが、文系に変更しました。当塾では英語を受験に活かすために文転した生徒を何人もみてきました。東大は日本を代表する大学らしく英語も他の国立の手本となる工夫された多様なかつ大量の問題を作ります。速さが合否の分かれ目です。そのために速読の訓練と英語小論文の指導は徹底的にしています。彼の英語小論文は、多少添削はしましたが,あまりに良い文章であったのでアメリカ人の友人に見せました。日本の公立高校でも指導経験のある彼が賞賛した小論文でした。世界史も英語で勉強する姿勢もありましたから普通の体調で受ければ合格は間違いないと思っていました。今年の東大の英語が難しかったことも英語力のある彼には幸いでした。

  京大に合格した生徒は、英語を真面目にやってきたのに何故か思うように伸びないと私の所に来ました。最初の面談では阪大志望でした。どんな勉強をしてきたかは触れませが、ハッキリしていることは暗記型特有の知識はあるが応用力に欠ける受験には使えない英語でした。英語の基本から入りました。頭の質がいい生徒でしたから,それまで持っていたバラバラの知識が結びついて魔法の杖を使ったかの如くドンドン伸びていきました。元々の志望大学を超えて京大に受かってしまったのです。京大の英語問題は難解な解釈と英作文だけのシンプルなものです。真の実力なくしては合格点に達することはない「これぞ英語」という問題です。彼はこれをクリアーしました。

 その他に合格可能性がE判定[合格不可能]であった生徒が岡山大学に受かった事例もあります。私の長年の経験が生きたと思います。

 個性を大切にしていますから、それぞれの生徒に独自な指導方法を施してきました。一人一人に特別な思いがあります。又彼らが教えてくれた有益な情報もあります。後輩に繋げていくつもりです。 今後も真摯に効率的な英語習得法と英語が楽しくなる指導法を研究していきたいと思います。

2020 新型コロナ年の入試報告 パート1️⃣

 今年の合格大学は前のブログで速報しましたが,後期を含めると次のようになります。一部重複します。卒業後に私の元を離れて2、3年以上経って医学部合格の報告がありますが今年も実績には入っていません。  

国立大学は 東京大学[文2] 京都大学[経済] お茶の水大学[理学部生物学科] 岡山大学[工学部] 香川大学[経済学部] 高知大学教育学部] 私立大学は立命館大学情報工学部] 関西外大 京都産業大学 大阪経済大学等です。

 大学生になる生徒は新型コロナの影響で入学式もなく同情しますが,記憶に残る新生活だったと年取ってから思うことでしょう。又各生徒に大学合格はゴールではなく,スタートだと伝えています。当塾で身につけた英語は国際化された社会で使えるだけの基盤ができています。各分野で頑張ってくれると確信しています。実際,世界を股にかけて活躍している卒業生が何人かいます。又ごく最近[3月末]身内のことで恐縮ですが,新型コロナウイルスの発症後の急激な悪化を例証した英語の医学論文が世界的権威のある学会の厳しい審査をパスし、シカゴ[学会本部]からインターネット上で発信されています。CTでDADという致死的な肺障害の画像所見を世界で初めて示した論文[Rapidly progressive COVID-19 pneumonia Shinsaku Matsumoto で閲覧可]で専門家の間でシェアされています。この厄介なウィルスに人類が打ち勝つことに微力ながら貢献しているのであれば幸いです。

 ある生徒は東大を目指して浪人を選択しました。英語はセンター試験で95%を出し,二次試験にも対応できる力のある生徒です。成功すると思います。当塾を卒業したほとんどの浪人生はこれまで2、3段階レベルアップしています。その理由は浪人生が大変なエネルギーを費やす英語の勉強にそれほど多くの時間を取る必要もなく、自分の弱点教科に集中できるからです。英語は理解していないまま、いくら問題解いても時間かけて自習して頑張っても残念ながら成績が上がることはない教科なのです。センター試験でたまたま高得点が出ても本当の実力が試される二次や有名私立には届きません。私の生徒の英語力は厚みが違います。

東大・京大・お茶の水・医学科2名 合格

  

[2020年 合格速報]

主要な合格大学は 東京大学(文2)  京都大学(経済)  お茶の水女子大(理学部生物学科)  香川大学(医学科)  川崎医大(医学科) 香川大学(経済)   高知大学(教育)

 国立大学合格者は毎年のことではありますが、2月の英作文を主とした二次対策が功を奏したと考えています。尚、今年のセンター試験では4人の生徒が筆記試験で90%[200点満点]以上を出しています。そのうち2名が190点台でした。

上記以外にも頑張った生徒がいます。それぞれの生徒に特別な思い、エピソードがあります。後期の結果を待っている生徒もいます。現時点の報告です。時間が取れた時に改めて詳細を述べたいと考えています。

 ただ,1人の女子生徒は、私が大変印象に残ってますので、ここで触れさせてもらいます。彼女は県外の有名私立高校出身で、2年間、東京でトップクラスと言われる医学浪人向け予備校に通っていました。長年受験に関わってきてますので,医学部に入ることは年々大変難しくなっていることは実感しています。医学部を目指して3浪することは珍しくありませんが,彼女には後がありませんでした。昨年春に当塾の卒業生の親からの紹介で私が担当することになりました。プレッシャーでした。教え始めてすぐに、聡明で,真面目な生徒である彼女が何故今まで一次合格さえ果たせなかったかと不思議に思ったものです。話せば長くなりますので,一言で表現すると,彼女の知識がバラバラで,その知識が使い切れてないことに気づきました。対話式レッスンだから可能だったのですが,点と点を結び付けるため徹底した修正に力点を置きました。その後は内容の深い超長文の速読訓練を相当しました。そして見事に合格を勝ち取り医師への道をスタートさせたのです。特別感慨深いものがありました。

共通テスト記述式の問題点

国立二次試験で英作文や英語小論文の指導を長年指導してきた経験から共通テストの英語民間試験が延期されたことは賛成です。受験生にとっては良いことだと考えます。理由はマスメディアが様々な観点で取り上げておりますので、ここでは一つの事例を示すことで私の考えを述べたいと思います。もし延期がなかったら英語でも記述式が予定されていました。記述式が公平に採点できるはずもないことは直接生徒を指導している関係者なら分かるはずです。採点するには英語と日本語に精通していなければいけません。一つの例文で検証してみたいと思います。

 例えば、仮に

 『よく(君は)僕にそんなこと言えるなぁ』 とした記述式英作文問題があったとしましょう。

経験から普通の高校生ならこんな感じで書く人は多いと思います

You can't say such a thing to me。

次の文は一定のレベルに達している生徒の英作となるでしょう。

   How dare you say such a thing to me !

しかし、状況にもよりますが、長年のネイティブスピーカーとの交流経験から他にも表現方法があると思います。  Who are you talking to ?

直訳すると[誰に向かって話してるの!]ですが、いい方によっては可能ですし、むしろ面白いと思います。

あるいは、

     Who do you think I am ?

直訳すると[君は僕(俺)を誰だと思ってるんだ]も可能だと思いますし、私だったら面白いとして高得点を与えます。

     Who do you think you're talking to?

もいいかと思います。

 私は自分の生徒に,日本語の内容を把握したら,言葉にとらわれないで、状況をイメージするように指導します。そうすれば,自由な発想で,限られた語彙力でも十分表現できると日頃言っています。

つまり、たくさんの言い回しが可能なのです。更に、スペリングミスや文法のチェックをしなければいけません。2、3の模範解答を持たされて、バイト感覚で採点できるものではないのです!更に、50万人以上の答案を、短期間に公平な採点を期待することなんてできません。日本語と英語に精通した何千人という専門家を探し出して採点をお願いすることは不可能です。

 記述式は人によって評価が一定しないため中止は当然だったと考えます。国語も数学でも同じことが言えると思います。

 スピーキングの評価も公平にすることはできません。NHKで長年英語番組等に出ておられた著名な方が朝日新聞(11月18日)に寄稿されています。我々が言いたいことを見事に表現されています。

 リスニングの配点が100点になることも反対です。現在の50点でも多少の不平等が生じます。当日与えられた機械が不具合である可能性は常にあるのです。配点が増えた分、もしもの時のダメージは受験生には相当なものになります。

 受験生に公平で平等な機会を担保するためにも記述式は延期ではなく、中止にして再び議論の材料にしてはならないと考えます。

 受験者数が限られる国立大学の二次試験で、私立大学であれば独自の本試験で、記述式やスピーキングの割合を増やせばよいと考えます。

 長年、受験生と共に一喜一憂してきた人間の一つの感想です。                              受付専用番号 080 3920 2760

今年の三年生の現況

 少人数だからこそできる生徒の個性を生かしながら、着実に、そしてグングン伸びていることを早く実感してもらう為に心を砕いている毎日です。最近、高三生からの報告でセンター試験で90%つまり200点満点で180点以上を出す可能性がある塾生が数名に達しました。つまり、模試等で180点超を経験済みと言うことです。ワンチャンスの本試験ではどのような結果になるかわかりませんが、190点台だけでも3人いた昨年の実績を上回る期待を持たせてくれるまで伸びてきたことを嬉しく思っています。

 国立二次試験で重視され、合否の決めてとなる英作文・自由英論文・難解な記述式英文解釈が強いことは過去の実績が示す通りです。一人一人を丁寧に指導してきた結果でもあります。一次試験のセンターでトラブルなく普段の力を出してくれれば各生徒の希望大学には合格できると考えています。